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コラム 毎週木曜21時更新

2018年3月29日  クイズを創ること

このコラムでもよく取り上げているが、僕は毎月、クイズの「授業」を行なっている。そう、神楽坂の「SODALITE」で、である。

4月ぐらいまではこの「授業」は全部で4回だったのだが、どうも5月あたりから増えそうだ。まだ確定ではなく、もう少しSODALITE側と詰めて行かなければいけないんだけど。

ところでなぜ僕がこのクイズを「授業」と表現しているのか、それはこのSODALITEのイベントが予備校のスケジュールで考えるのが一番わかりやすいからだ。

僕が担当している「科目」は「ビギナー」と「スタンダード」そして「ガチ」である。その授業のコマは各3時間でその「講師」として長戸勇人がいる、というわけだ。
当然今も僕以外にも「講師」はいる。僕以外でも「ビギナー」を担当している人もいるし、たとえば「クイズ王に当たって砕けろ」とか「イントロ」などの僕が手を出せない科目もある。
講師も科目も今後も増えていくものと思われるし、増えて行くべきとも考える。そのうちにそれこそ予備校の夏季講習のように毎夜いろんな人がいろんなクイズを提供する場になればいいと思っているんだけどね。
とはいえ僕はスタッフではないので、どう発展するかまでは面倒見られないんだけど(笑)

僕はこれまでクイズ作家として問題を供給する仕事が主だったのだが、この毎月の「授業」のおかげで最近はすっかり企画を考えることに頭の中が支配されるようになった。
でも実はこれ、本当は企画なんか考えなくてもよかったりするのだ。
というのも、大門から話をもらって承諾したときに、彼からの制約は何もなかったからだ。
クイズの形式は自由とされた。なので、有名な「7○3×」や10p±の「ニューヨークスタイル」みたいなシンプルなものをずっと突き進めて行ってもそれはそれで契約違反ではないのである。
しかし、凝り性な性分の自分がそういうのを許さなかったのだ(笑)

どうも僕は子供のころから「誰もやってないこと」や「初めてやること」的なことが異常に好きで困る。もちろん自分の知っている範囲で「見たことも聞いたこともない」、ってやつなんだけど。
小学校の図工の時間に、何か熟語を選んでそれを明朝体で書く、という授業があってそのとき「創造」という言葉を選んだ。
それからずっとこの「創」という字が一番好きな漢字になっている。
この字は高校での落研の僕の高座名にも入っているし、25歳のときに初めて世に出した本のタイトルにもついている。

だから、他の講師やコマでは誰もやりそうにない、というものを創ろうとついやってしまうのだ。
で、結果的にそれが自分の首を絞めるのである(笑) ぎゃー。

クイズ形式の具体的な作り方は以前に書いた「クイズ企画のあれこれ」の続編で書くとして、今回はもう少しSODALITEでの話を書いてみたいと思う。
どういうものを創っているのか、それぞれの科目での方向性などを書いてみる。

まずは「ビギナー」。
これは一番制約があるクラス。
とにかく何より「どうやったらクイズというものを楽しんでもらえるか」が最大のテーマである。

早押し機に触るのが今日が初めて、という人が毎月必ず数人おられる。
そして長戸勇人を知らない人、って尋ねるとこれも数人は絶対におられるのだ。
実はこれがプレッシャーなのよ。僕を知っている人ならちょっとぐらいはキャラクターの勢いでごまかせられる(笑)ことも、僕を知らない人には僕は単なるクイズの出題者のオッサンなわけで、純粋に内容の巧拙で「クイズ」そのものを判断されてしまうからだ。
もちろんそういった人に対しての方が俄然燃えるんだけどね(笑)

ここでの形式は、わかりやくてシンプルなんだけど必ず1枚「何か」を乗せているというもの。
問題は誰でも解きやすいもので、時事要素も絡めるのが特徴。
正解を出した直後の安心感と満足感が入り混じる笑顔を見ると心が洗われる感じがする。
だからこのクラスは好き。

次は「スタンダード」。
これは形式に一番制約があるクラス。

僕がここで伝えたいのは、「クイズの可能性」。
たとえば今年の2月にやった「オリンピッククイズ」で考えると、「スキーのジャンプをクイズで表現するにはどうするか」、とか「カーリングをクイズでやるとどうなるか」というものだ。
だからここでの形式を考え出すのが最もパワーが要るのである。

僕が創る形式はもちろん最善手ではないかも知れない。しかしながら確実に答の1つではある。だからそれを見て解答者のみなさんが何か新しいものを感じてくれたり、また新たにクイズを創ってくれれば、と思うのだ。

このクラスは毎月1コマしかないためメンバーが固定化し始めてきていて、何やらサークルっぽくなってきている。いい意味で僕にもクイズにも慣れてきている人が多くなり、そのため形式にも問題にも目が肥えてきているのがわかる。だからそういう点が僕的にはプレッシャーとなっている。
「ビギナー」の解答者が出す無垢な笑顔に対して、「スタンダード」では正解後に笑顔とともにガッツポーズや「ドヤ顔」が出ることが多い。
そういうのも出題者として見ていてたまらない。
だからこのクラスも好き。

最後に「ガチ」である。
僕は個人的に「エキスパート」と呼んでいる。まあそんなことどうだっていいんだけど。
ここは前の2つとは違って「制約が何もない」のが特徴。
そしてテーマは「問題を消費する」である。

このクラスはみんなが名前にビビって(笑)参加を敬遠しているため、毎回解答者が他の2つのクラスに比べて際立って少ない。だからこそ参加した人はボタンの押せる回数や正解の回数が段違いとなることになる。何たってテーマが「問題を消費する」なんだから。
だから「エキスパート」に参加した人では「ここが一番面白い」という声も多い。

ただし、そんなことを言えるのは「正解を出せる人」に決まっているわけで、実力差がある人には厳しい時間になるのは間違いない。

出題される問題は「難問」ではない。「制約がない」だけである。
他のクラスでは「3時間の間に7つのクイズをやる」という前提があるが、この「エキスパート」だけは「手をつけた形式をとことんやる」というスタイルのため時間の制限がない。だから問題が誰も答えられなくて時間が過ぎても知ったこっちゃないのである。つまり、どんな問題でも出題される可能性がある、ということになる。

このクラスでは僕が問題と形式のそれぞれを過剰に工夫する必要がないので、僕にとってはムチャクチャ楽なのである。下手したら自分のサークルでやっている以上にリラックスしているかも知れない。時間の制約が緩いのは前に書いた「徹クイ」に近いものがあるぐらいだ。
だからこのクラスも好き。

このような3つの「科目」で「授業」を行なっているのがSODALITEのイベントである。
では今後もこのままでいくのか、というとそうではない。実はさらにいろんな「科目」を思いついてしまっているのだ(笑) これは間違いなく自分の首を…、なんだけど(笑)
大門にはそのうちの1つを伝えたところ結構面白がってもらえた。なので5月あたりから新しい「科目」が登場することになる。その後はおいおいと増えて行くかもしれない。
ってそんなことしたらいつか毎週末に何かやらないといけなくなるじゃん。それはいかん。身が持たない。

こういうスタイルのクイズの店は今はSODALITEだけなんだろうけど、今後、たとえば現役バリバリの20代や30代が同じように講師を務める店なんてのがいろんなところで増えてくれば面白いのになあとは思う。

昔はクイズはあくまでもテレビが発信場所で、それが認知されて行ってクイズの裾野が広がって行ったんだけど、昨今の全国で毎週のように行なわれている草クイズ大会に加えてこういったマイクロ的なイベントが普通になれば、これらが今度は重要な発信基地になる。
これによってもっとクイズを嗜む人数は増えるし、人口が増えると必ず新しい才能は登場するから、新しい可能性がまた広がるはずだ。

少なくとも僕は20代のころから自分はクイズの歴史における「中継ぎ投手」と思っていて、そのつもりでクイズをやっている。
本を書いたりサークルを作ったり講演やイベントをすることで、世の人にクイズが伝わればいいと思っているし、新しい才能へのリレーができればと思っている。

クイズという競技には限りない可能性がある。
クイズは間口が広くて奥が深い、まさに「ジンベエザメの寝床」のようなもの。僕が創るクイズで1人でも多くの人が楽しい時間を過ごしてくれたら、と思う今日この頃である。

ではまた、来週の木曜日。




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